気分の浮き沈み、不眠、「自分のことが好きになれない」、孤独感などに苦しんでいた女性④レイプ体験編
ディマティーニ・メソッド・ファシリテーターで心理学博士の古宮昇です。
パニック、不眠、極端な感情のアップダウン、激しい孤独感男性への激しい不信感と性への嫌悪感などに苦しんでいた30代の女性がいます。
彼女はディマティーニ・メソッド®を通して、②母親への怒り、③父親への怒りについてワークをおこなった結果、それらの症状が短期間のうちに、ずいぶん軽快もしくは消失しました。
ぐっすり眠れるようになるとともに、躁うつ状態がなくなり、恋人からしばらくイーメールが来ないからといって以前のような強い恐怖に襲われることもなくなりました。
その女性は次に、性に対する罪悪感に取り組みました。
そして彼女が得た、大切な学びをシェアしてくださいました。
その学びとは、人生に起きる出来事はすべて、私たちが最高に成長し、最高の自分になって生きてゆくために必要だから起きるということです。
その女性の手記第4回目をどうぞ。
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気分の浮き沈み、不眠、「自分のことが好きになれない」、孤独感などに苦しんでいた女性①
レイプ体験により性への嫌悪感と異性への不信感を抱いていた
私は中学生のとき、見知らぬ男性からレイプされました。
それが私の最初の性体験でした。
それは、魂を蹂躙(じゅうりん)されたと感じるに十分過ぎるほどの体験で、私は自分の体があたかも汚物そのものであるかのように感じるようになりました。
さらに、気づかぬうちに性への嫌悪感が強烈に根付くとともに、
異性に対する「もう二度と信用しない、信用すると汚される」という、絶対的な不信感のもとになっていました。
そのため私は、お付き合いする異性に対して「いつか裏切るんじゃないか、どうせ愛されていない」と、心の奥底に不信感を隠し持っていました。
レイプ体験から得ていたプラスの要因に気づく
ですが私は、ディマティーニ・メソッド®を通してとても大きな気付きを得ました。
それは、レイプという、自分の体や心、魂を踏みにじられる経験をしたことにより、
本当の意味で体や心、魂を大切にするということはどういうことかを理解する機会を得ていたということです。
私は本当に自分を大切にしてくれる人がどういう人であるかを学ぶとともに、私の内面を見て、心を愛して大切にしてくれる異性を見つける「目」が養われていたのです。
確かに、私が今までお付き合いしてきた男性は、私の中身を思って大切にしてくれる人ばかりでした。
ディマティーニ・メソッド®の結果、自分自身の異性を見る「目」をもっと信じていいことに気づき、何よりも「この私が選んだ人なのだから、過剰に怯える必要はなく、もっと相手を信頼していいのだ」と思えました。
あの辛い出来事を体験した私が好きになった人だからこそ、私を傷つけ、汚すことはないということが本当の意味で理解でき、大きな幸福と安心感に包まれたのです。
すると、異性に対する「裏切られるんじゃないか」という不安や恐怖心が低減し、もっと自由に人を好きになっていいんだと安心できました。
そして、自分が選んだ人を信じられることがこんなにも自由で幸せな気持ちであると、知ることができました。
私にとって、心理的に未解決だった出来事とは、マイナスが大きく見えすぎてバランスを取ることができていない事柄のことだと思います。
プラスの要因が理解できたとき、私は心から「経験させてくれてありがとう!」と思えました。
それとともに、より豊かなありのままの感情が戻ってきました。
「これが本来の私」という感覚です。
するとディマティーニ・メソッド®の第一回目のセッション後に感じた、長年抱えていた苦しみを失ったことによる虚無感や生きる意味の喪失感が消えました。
私が私を取り戻した瞬間だったと言えるでしょう。
あのレイプ体験が、どれほど深く強烈な影響を私に及ぼしていたかは、ワークを完了してはじめて分かりました。
自分の心と体への憎しみは、思っていたよりずっと強かったのです。
解説:自分自身の感覚や判断力を信頼できてこそ人への不信感も払しょくできる
この女性は、レイプを受けるという筆舌に尽くしがたい経験によって、彼女の体目当てで言い寄ってくる男性を的確に見抜く力がつきました。
異性を見る目が養われたことによって、本当に彼女のことを大切にしてくれる男性を選んでいたことに気づいたのでした。
自分自身の感覚や判断を信用できてこそ、私たちは安心して人と知り合って行くことができます。
この女性は、彼女自身の判断力を信頼できるようになり、人への不信感が大幅に減ったのでした。
また、レイプ体験がどれほど大きな影響を及ぼしていたかということに、癒されて初めて気がついたのでした。
心の傷とはそういうものです。
無くなってはじめて、今までどれほどの重荷と制限と苦しみの元になっていたかに気がつくものです。
この女性は、3回のディマティーニ・メソッド®セッションを通し癒されていなかった心の痛みに取り組むことによって、気分が安定するとともに、人間関係も変わりました。
そのことについて、次回のメッセージで詳しくご紹介します。(次回につづく ⑤見捨てられ不安編)
古宮昇(こみや・のぼる)
最初からもう一度読みたい方はこちら
気分の浮き沈み、不眠、「自分のことが好きになれない」、孤独感などに苦しんでいた女性 ①DMは不要と思っていた
②母親の無視・無関心編 ③父親への怒り・性への嫌悪感編
⑥ディマティーニ・メソッド®から得た洞察編 ⑦恩師の拒絶と抑うつ編 ⑧心の整理と人生の目的の発見編 ⑨不倫編