やる気について、自分がやる気を出したい時だけでなく、
誰かのやる気を引き出したい場合、
子供や部下などにやる気を出して何かをやってほしい場合がありますよね。
今回は「トイレの神様」を題材に、相手の価値観に配慮し、やる気を引き出す人間関係について考えてみましょう。
目次
「トイレの神様」 作詞:植村花菜・山田ひろし 作曲:植村花菜
シンガー・ソングライター植村花菜さんの「トイレの神様」という歌をご存知ですか?
植村さんご自身と亡くなられたおばあさまとの実体験の思い出をベースに作られた
約10分の心にしみる曲で、
2010年にヒットして、小説、絵本も出版されました。
日本レコード大賞 優秀作品賞、 日本レコード大賞 作詩賞を受賞し、
紅白歌合戦でも歌われ(歌詞は削らず8分弱に短縮された紅白バージョン)
お正月には2時間のテレビドラマも放映されました。
(子どもの頃の花菜さん役は芦田愛菜ちゃん、成長後は北乃きいさん、祖母役は岩下志麻さんでした。)
「トイレの神様」の歌詞の概要
小学3年生の頃から実家の隣のおばあちゃんの家で暮らしていた花菜さんは、
毎日お手伝いをしたけれどトイレ掃除が苦手だった。
そんな花菜さんにおばあちゃんが言った言葉は
トイレにはそれはそれはキレイな女神さんがいるんやで
だから毎日きれいにしたら女神さんみたいにべっぴんさんになれるんやで
歌はこの後、
その日から、べっぴんさんになりたくてトイレを毎日磨くようになった、
少し大人になって、おばあちゃんとぶつかり家を出た、
上京から2年が過ぎ、おばあちゃんは病気になった、
会いにいった翌日息を引き取った、
気だての良いお嫁さんになるのが夢だった私は
今日もせっせとトイレをピカピカにする・・・ と続き、
おばあちゃんへの感謝で終わります。
なお、実生活では、植村花菜さんは013年1月に入籍してお嫁さんに、
2015年1月に第1子を出産してお母さんになられています。
おばあちゃんもきっと喜んでいらっしゃるでしょうね!
トイレ掃除にやる気が出て苦手から得意になったポイントは?
祖父・祖母と孫、父親・母親の関係の難しさ
子どもが大人の言うことを聞かない、そんなとき大人がよくやってしまいがちなのは、
- とにかくやるように言う
- 言っても無駄だとあきらめて大人がさっさと済ませてしまう
- 「やれやれ」「ダメな子だ」などちょっとイヤミっぽい言い方をする
- 「ちゃんとお手伝いしないとおやつをあげないよ」
「トイレ掃除をしたらお小遣いをあげる」とアメとムチを使う
などでしょうか・・・。
おじいちゃん、おばあちゃんとお孫さんの関係だと、
そもそも甘やかしてお手伝いをさせようとしないことも多く、
おじいちゃん・おばあちゃんが孫を甘やかせすぎて困るなど
お父さん・お母さんの意見と合わずにぶつかるケースもあるかもしれません。
もちろん逆に、祖父・祖母の目から親が子どもを甘やかせすぎると見えたり、
ほったらかしでかわいそうなどと見えることもあるでしょう。
相手の心に響く言葉・・・
花菜さんとおばあちゃんの関係も、必ずしもいつもうまくいっていたわけではないと思います。
しかし何はともあれ、この時のおばあちゃんの言葉は花菜さんの心に響き、
やる気を引き出すことが出来ました。
花菜さんは、
キレイな女神さんというファンタジーを受け入れられる純真な面がある子どもだったのだろうし、
おばあちゃんのことが好きだったから、
おばあちゃんの言葉を素直に受け入れられたのだろうと思います。
これがもし、全然タイプの違う、
「女神さんなんて信じないわ」という女の子だったり、
「べっぴんさんになんてならなくていいわ」という女の子だったら、
「やってみよう!」とはならなかったかもしれません。
やる気が出たのは自分にとって価値が高いと感じられたから
「べっぴんさん」になるのは、花菜さんにとってとても大事なことだったのですね。
だから、トイレ掃除という苦手だったことも、
それをすることが自分にとって大事なことにつながると感じられ、
やる気が出て、自発的な行動になったのですね。
その結果おそらく、いい加減なやり方ではなく心を込めてやるようになっただろうし、
それが大人になっても継続している、
苦手が得意になったといえるし、
苦にならず自然にできる、習慣になったともいえるでしょう。
そして歌が大ヒットして、
日本の歌手にとって最も大きな栄誉ともいえる紅白歌合戦出場を果たしたのですから、
おばあちゃんは、単にトイレ掃除だけのことにとどまらず、
花菜さんの人生に本当に大きなギフトをくれていたといえますね。
人間関係の3つのタイプ
気にかけない、気にする、気遣う(ケアリング)
ポイントは、相手の価値観に合わせたコミュニケーションです。
Dr.ディマティーニは、人間関係には次の3つのタイプがあると言います。
- 気にかけない(ケアレス)
相手の価値観を尊重したり、配慮したりしない。
自分の価値観に相手が従うよう期待して、それが正しいと考える。
相手の価値観が間違っている、自分の価値観より劣っていると考える。 - 気にする(ケアフル)
相手の価値観が自分を認めてくれるかどうかを気にする。
相手にびくびくしている。
自分の価値観を軽視し、矮小化する。 - 気遣う(ケアリング)
相手の価値観を尊重しながら自分の価値観を伝える。
お互い積極的にコミュニケーションする。
(会話の量が多いか少ないかではなく、相手の価値観を理解して1人の時間を作ってあげることも含みます。)
気遣う・ケアリングの関係は、
お互いの価値観を理解し、リンク付けができている関係でもあります。
あらゆる人間関係で有効
「これをすることが相手の大事なことにどのようにプラスになるだろう?」と考えて働きかけることは、
おばあちゃんと孫の関係、親子、子育てだけでなく、
夫婦、恋人同士でも、
教師と生徒、友達同士でも、
上司と部下、同僚同士でも、
家庭、学校、仕事・ビジネスなど、あらゆる場面・人間関係で使えますよね。
また、相手に何かを働きかけてスムーズに進まなかった時も、
この観点を理解していると、
相手が悪いと責め、怒ったり、
自分が間違っていたのではないかと落ち込んだりせず、
「別のどんな伝え方をしたら相手に価値を実感してもらい、やる気を引き出せるだろうか?」と考え直して、
リベンジしやすくなるでしょう。
人間関係のストレスを格段に減らし、相手も自分も、
内発的なやる気に従って自分らしく生きやすくなりますね。
やる気を引き出すコツのまとめ
- 相手はどんな価値観を持っているか考える
- 相手の価値観に響くことばを考える
- 相手自身が、「これをすると自分にプラスになる」と感じられるように働きかける
誰かのやる気を引き出したい時、ぜひ意識してやってみてください!
「Dr.ディマティーニの最高の自分が見つかる授業」
なお、お互いに相手の価値観を気遣おうと思っても、
相手の価値観に対する理解が的外れだと、
気遣ったつもりが相手にとって価値を感じられない結果になり、
結局人間関係がうまくいかないということになりかねません。
「Dr.ディマティーニの最高の自分が見つかる授業」という書籍には、
価値観を明らかにするワークが掲載されています。
また、人間関係についてだけでなく
仕事、お金、才能の活性化など、人生のさまざま領域に関する本質的な知恵とワークが満載ですので、
1冊持っておくと本当に役立ちますよ!
そしてさらにファシリテーターの助けを借りて自分にとって大切な価値観の優先順位を明らかにしていくと、
人生のミッションの発見にもつながりますし、
より一層、人間関係の改善やビジネスの成功など、
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