気分の浮き沈み、不眠、「自分のことが好きになれない」、孤独感などに苦しんでいた女性⑥ディマティーニ・メソッド®から得た洞察編
ディマティーニ・メソッド・ファシリテーターで心理学博士の古宮昇です。
パニック、不眠、極端な感情のアップダウン、激しい孤独感、男性への激しい不信感と性への嫌悪感などに苦しんでいた30代の女性がいます。
彼女はディマティーニ・メソッド®を通して、②母親への怒り、③父親への怒り、④レイプされた経験の傷つきに取り組み、それらの症状が短期間のうちにずいぶん軽快もしくは消失しました。
ぐっすり眠れるようになるとともに、躁うつ状態がなくなり、恋人からしばらくイーメールが来ないからといって以前のような強い恐怖に襲われることもなくなりました。(⑤見捨てられ不安編)
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気分の浮き沈み、不眠、「自分のことが好きになれない」、孤独感などに苦しんでいた女性①
ディマティーニ・メソッド®を通して得た洞察
その女性が、ディマティーニ・メソッド®を通して得た洞察を簡潔に振り返りましょう。
彼女はまず、母親の長年にわたる無関心と評価のなさに怒りを持っていました。
しかし彼女は、関心を求める思いが原動力となって、若くして研究者として実績を上げていました。
多くの研究者の関心を集める論文を何本も発表していたのでした。
さらに、彼女は子どもの援助をするボランティア活動を熱心におこなっていました。
親から関心を得られない子どもが、どれほどの苦しみや悲しみを受けるのかが心から理解できたことは、苦しむ子どもたちの気持ちに共感する力になっていたのです。
この女性はつぎに、父親を巡る感情にワークをしました。
父親は浮気を繰り返し、母親と不仲でした。
この女性は、お父さんは私を裏切った、と怒りを感じていました。
彼女は、父親についてディマティーニ・メソッド®を通して取り組み、多くの洞察を得ました。
その一つは、父親が母や彼女のことを顧みなかったおかげで、彼女は理想的な男性から愛される女性になろうと努力していたという気づきです。
彼女は社会的地位の高い男性と付き合うようになり、しかも愛情深く尽くしてもらえていたのです。
その女性はさらに、中学生のときに体験したレイプについて取り組みました。
彼女の初めての性体験は、見知らぬ男性からのレイプでした。
彼女がワークを通して気づいたのは、レイプという、体や心、魂を踏みにじられる経験をしたことにより、本当の意味で体や心、魂を大切にするということはどういうことかを理解する機会を得ていたということです。
彼女は、本当に自分を大切にしてくれる人がどういう人であるかを学ぶとともに、彼女の外見ではなく内面をみて、心を愛して大切にしてくれる異性を見つける「目」が養われていました。
彼女が付き合ってきた男性は、彼女の中身を思って大切にしてくれる人がほとんどでした。
宇宙は、わたしたちが最大の成長をするよう、最適なタイミングで最善のことをもたらしています。
この女性はそのことに、単なる知識としてではなく、心から気づいたのです。
その気づきを得たことによって、彼女にどんな変化が起きたのでしょう。
そのことについての、彼女の文章をご紹介します。
まず自分自身ととことん向き合い、自分を大切にすること
私がディマティーニ・メソッド®を受けようと決めたとき、その理由として「大切な人を大切にできる自分になること」を目標に挙げました。
私は、「自分は幸せでなくてもいいから人が幸せならそれでいい」とずっと考えて生きてきました。
しかしそれでは人を大切にはできないようです。
セッションを通して学んだことは、「まずは自分を大切にしなくてはならない」ということです。
自分を大切にしていないと他人も大切にできません。
相手は自分を映し出す鏡だからです。
人を信用するには、その土台となる自分自身を信用する必要があったのです。
大切なのは、自分自身ととことん向き合うという思いの強さです。
今回受けたディマティーニ・メソッド®は今まで自分が築き上げてきたものと何ら矛盾するものではなく、人生をより豊かに、より生きやすくするための有用な手段であると思います。
このセッションはこれで終わりなのではなく、長い人生の旅路をより生き易くするための序章です。
私のこの経験が、何かのお役に立てるなら幸いです。
解説:癒しと成長に限界はない
この女性が手記で書いてくださったのは、2回のディマティーニ・メソッド®セッションで得た洞察と変化です。
彼女が、2回のセッションを完了して
「これで終わりなのではなく、長い人生の旅路をより生き易くするための序章です」と書いたとき、
彼女自身の心に、まだ未解決の問題があることを感じていたのかもしれません。
私たちの癒しと成長には限界がありません。
「これ以上癒せない、成長できない」という天井はないのです。
実際に、このあと彼女の心を大きく揺さぶり、激しい抑うつ状態に陥らせる出来事が起きることになります。
それについては次回につづきます。 (次回 ⑦恩師の拒絶と抑うつ編はこちら)
古宮昇(こみや・のぼる)
最初からもう一度読みたい方はこちら
気分の浮き沈み、不眠、「自分のことが好きになれない」、孤独感などに苦しんでいた女性 ①DMは不要と思っていた
②母親の無視・無関心編 ③父親への怒り・性への嫌悪感編 ④レイプ体験編 ⑤見捨てられ不安編
⑦恩師の拒絶と抑うつ編 ⑧心の整理と人生の目的の発見編 ⑨不倫編