気分の浮き沈み、不眠、「自分のことが好きになれない」、孤独感などに苦しんでいた女性⑪家事が大好きになった(最終回)
こんにちは。心理学博士でディマティーニ・メソッド・ファシリテーターの古宮昇です。
うつ、パニック、不眠、極端な感情のアップダウン、激しい孤独感、男性への激しい不信感と性への嫌悪感などに苦しんでいた30代の女性がいます。
彼女はディマティーニ・メソッド®を通して、②母親への怒り、③父親への怒り、④レイプされた経験の傷つきに取り組み、それらの症状が短期間のうちに、ずいぶん軽快もしくは消失しました。
ぐっすり眠れるようになるとともに、パニックはなくなり、男性への不信感もほとんど消失しました。
また、恋人からしばらくイーメールが来ないからといって以前のような強い恐怖に襲われることもなくなりました。
(⑤見捨てられ不安編 ⑥ディマティーニ・メソッド®から得た洞察編 ⑨不倫編)
ところがその後、彼女は博士号取得を目指して人並はずれた努力をしていたのですが、
大学院生時代の恩師から「博士号はまだ無理だ」と言われて激しく落ち込み、
仕事に行けなくなって自殺願望まで抱くようになりました。
しかしその危機も2時間半のディマティーニ・メソッド®セッションによって乗り越え、以前のように元気になりました。
(⑦恩師の拒絶と抑うつ編 ⑧心の整理と人生の目的の発見編)
つぎに彼女は、かつて婚約破棄された心の痛みを対象にワークをおこない、傷を癒しました。
(⑩婚約破棄編)
その女性が、ディマティーニ・メソッド®を通して得た、大切な学びをシェアしてくださいました。
その気づきとは、人生に起きる出来事はすべて、私たちが最高に成長し、最高の自分になって生きてゆくために、必要だから起きるということです。
最初から読みたい方はこちら
気分の浮き沈み、不眠、「自分のことが好きになれない」、孤独感などに苦しんでいた女性①
では、その女性の手記第11回目をどうぞ。
目次
母親の性質を拒否し、家事は人生の無駄遣いだと思っていた
婚約破棄を経験したおかげで、私には、
元婚約者が与えてくれていた特性が何人かの人たちから分散して与えられるようになり、
私は研究に集中する素晴らしい環境を手に入れました。
そして新たに、元婚約者の性質が集結した今の恋人と出会うことができていたことに気づいたのでした。
今の恋人は、私自身の自己洞察を深めてくれます。
彼と出会っていなければ、私はディマティーニ・メソッド®のセッションを受けることもありませんでしたし、
親子関係やレイプ、そして
婚約破棄についてのこころの痛みにまで取り組むことはなかったでしょう。
さらに、セッションを受けて性のブロックが外れたことにより、
心と身体が結ばれるセックスが、こんなにも魂を満たすものだということが分かりました。
女性としての自分を愛せるようになったのも、
彼が私の女性性を解放し、女性でいさせてくれるからだと思います。
しかし、それでもまだ私は自分の女性性を満足に愛せているわけではないと感じていました。
なぜなら今私が謳歌している女性性は男女間のものであって、
家事が大嫌いな私は、
将来よい妻になりよい母になるという、より深みのある女性性を愛せているとはとても思えなかったからです。
私の母は私と正反対で、家事が大好きな人です。
家の中はモデルハウスのようにいつもピカピカ。
買い物にも毎日行くので冷蔵庫の中に物をためることもないし、トイレもお風呂もとても綺麗です。
そんな母とは対照的に、私は一日中部屋に引きこもり、分厚い専門書に囲まれ、一晩中同じ姿勢で論文を書き続けます。
私にとって家事は時間の無駄でした。
料理に費やす時間は人生の無駄使いに思え、
さっと短時間で済まさない限り、料理中はイライラしていました。
掃除も洗濯も、必要に迫られて仕方なくやっていました。
「こんな時間があったら、もっと本が読みたい、たくさん勉強したい、たくさん論文が書きたい」
そんな思いが溢れてくるので、家事が嫌でたまらなかったのです。
母を対象に再度ディマティーニ・メソッド®のセッションを受ける
私はすでに何度もディマティーニ・メソッド®のセッションを受けていましたが、
再度、母を対象にセッションを受けることにしました。
それまでは、恋人の勧めもあり、何よりも恋人との関係を良くしたいと思って受けていました。
しかし今回は、私自身が変わりたかったのです。
これまでのセッションによって、あまりにも居心地の良い自分になることができ、
恋人との関係も深まり、とても素晴らしい人生を味わえたと実感していました。
ですから、もっと変わった自分をみてみたい、
もっと新しい自分になりたい、そう素直に思えたので、
自らセッションを受けることにしたのです。
ですが、母を対象とした再セッションは4時間にも渡る長丁場となりました。
ファシリテーターは何度も私に質問をしますが、その質問に今までのように答えることができません。
しかし、4時間もの間ファシリテーターとともにさんざん取り組んだ結果、
母が私に与えてくれていた最大のギフトが何だったかが、ついに判明したのです。
それは、親子関係に幻想がないということです。
私の母は前にも述べた通り、ネグレクトという虐待を行っていました。
しかし、母がネグレクトを行ってくれていたおかげで、
母親という存在について過剰な期待や幻想を抱かずにすんでいたのです。
私は10年前にユング派の心理療法を3年間にわたって受けていました。
そのときも母親との問題に取り組んでいたのです。
そして、その心理療法のおかげで私は母に対して過度な幻想を抱かない自分になっていたことも、
今回のディマティーニ・メソッド®によって分かりました。
私は10年前の心理療法によって、
母を一人の人間として受け入れることができる自分になっていたのに、
その事実を明確に言語化することはできていませんでした。
ディマティーニ・メソッド®は、10年前の心理療法で何が行われていたのかをより明確にする手助けをしてくれました。
私の中で、心理療法とディマティーニ・メソッド®での気付きがリンクした瞬間でした。
家事を愛し、より満たされた時間を手に入れる
母を対象とした再セッションのあと、とても大きな変化が起こりました。
あれほど家事が大嫌いだった私が、とても家事好きになったのです。
一体何が起こったんだろう・・・?私は、二つの要因があることに気づきました。
一つ目は、性のブロックが外れたことです。
それによって、抑圧されていた女性性が解放されました。
もう一つの要因は、母を対象としたセッションを二回おこなったことです。
その二つの要因が重なって、私はやっと、
嫌いだった母の性質を受け入れることができたのです。
そのとき私は、母と同じ性質が私にも同じだけあることが理解できました。
私は、家事をこよなく愛するという母の性質が嫌いだったのですが、
自分自身にも本当はその性質があるんだと気がつき、
しかもそんな自分を愛することができるようになると、家事がとても好きになりました。
それまでは専門書しか買わなかった私が、
料理の本を買って料理を楽しみだしたり、
海外から柔軟剤を輸入して洗濯を楽しんだり、
鼻歌を歌いながら掃除機をかけるようになったのです。
自分でも信じられません。
セッションを受けてから数ヶ月経ちますが、効果は全て継続しています。
むしろ、時間が経ったときのほうが、大きな学びや気づきがあるぐらいです。
私は家事をする自分を愛しているし、
義務や労働だと感じていた家事が、本当はとても大きな愛情行為だと気づくことができたのです。
家事は、家族への愛であるし、自分への愛でもあるのです。
家事がそれほどまでに愛で満たされるものであったということを、初めて知りました。
私のこんな変化に、恋人とファシリテーターは大変驚きました。
それまで、研究に明け暮れていた私が、論文を全く書かなくなったのです。
そして、部屋に籠って、今まで読まなかったジャンルの本を読み、
洗濯や掃除、料理を楽しみだしました。
それが、とても幸せなのです。
無理に論文を書く必要も感じなければ、焦って業績を上げようとも思いません。
どんな私であっても受け入れ、支えてくれる恋人のおかげで、
私は忙しかった研究生活から一転し、
穏やかで満たされた、とても幸福な時間を手に入れることができました。
喜びに溢れた、人生の休息の時間といってもいいかもしれません。
それほどまでに、私は満たされていました。
しかし何事もバランスなのでしょう。
せっかく研究から離れ女性性を味わっていたら、
新しい研究や論文の話が舞い込んできました。
宇宙は全てお見通しなのですね。
解説:親から受け継いでいる特性を認めらないと人生の困難を生みやすい
私はディマティーニ・メソッド®・ファシリテーターであると同時に、心理療法家でもあります。
その経験から強く感じることは、子は親に似る、ということです。
子どもは親の特性を受け継ぐのです。
ところが子どもの心に、親に対して、
怒り、反抗心、軽蔑心など、無条件の愛と感謝以外の気持ちがあればあるほど、
自分自身が親の特性を受け継いでいる、という事実を認めることすらできません。
そしてこの女性のように、「自分は親とは正反対だ」とか、
「親のあのイヤな部分は私にはない」といった幻想を信じるようになります。
その現実離れした幻想は、本人は気がつきませんが、
人生の問題や困難を生むとともに、喜びや豊かさを奪います。
この女性の場合は、家事に喜びを見出し、家事を通して愛を表現し、愛を与える、という豊かさを楽しむことができませんでした。
さらには、過去の男性との交際において、
家事を通して愛を表現することを拒否していたために、
恋愛関係に葛藤が増えたり、恋愛関係における喜びがそれだけ薄くなっていたかもしれません。
ところが、母親に対する怒り、反発心などが一つ解決したことによって、
彼女は自分自身の家庭的な面に気がつき、そんな自分自身を愛するようになりました。
すると、それまで優秀な研究者として得ていた人生の喜びに加え、
家庭的な女性としての喜びも楽しめる人になったのです。
また、私たちの癒しと成長に限界はありません。
私たちはどこまでも成長できるのです。
ですからこの女性が母親について2回のセッションを受けたように、
同じ対象者について複数回のディマティーニ・メソッド®セッションを受けると、
私たちはいっそう強く深い愛と感謝の状態になります。
宇宙はバランスでできている
宇宙はバランスでできています。
わたしたち一人一人が、より豊かでより素晴らしい自分になるよう、助けてくれているのです。
ですからこの女性のように、仕事から離れて家庭的な自分自身へと偏り過ぎると、
宇宙は、有能な研究者として自立するよう導きます。
彼女のもとに、新しい研究と論文の話がやってきたのはその働きの表れです。
私たちがよりバランスの取れた自分になることを助ける宇宙の働きは、いつも作動しています。
ですから例えば、私たちが自分のことを「人より優れている」とか「人より立派だ」と誤解したときには、
それを中庸に戻すよう、「自分は思っていたほど優れているわけじゃない」と感じさせる出来事が起きます。
誰かが私たちを批判したり、ものごとに失敗したりするのです。
反対に、「自分なんかダメな人間だ」と見なしたときには、
誰かが(しばしば自分自身が)そんな自分のことを高く評価する出来事が起きるのです。
ディマティーニ・メソッド®を通して心の痛み、苦しみを解決した女性が、彼女の変化をつづってくれた手記はこれで終わりです。
その女性は大きな変容、成長を遂げました。
彼女のように、ディマティーニ・メソッド®を通して自分の心に取り組むことによって、
人生の重荷をおろして軽くなったり、充実した人生を送れるようになったりした人たちはたくさんたくさんいます。
あなたも、ディマティーニ・メソッド®ファシリテーターのどなたかに連絡を取って、
本気でワークに取り組まれることをお勧めします。
「勇気を出してやってよかった」という結果になりますよ。
ここまで、お読みくださいましてありがとうございました。
あなたが幸せで充実した人生を歩まれることを願っています。
古宮昇(こみや・のぼる)
最初からもう一度読みたい方はこちら
気分の浮き沈み、不眠、「自分のことが好きになれない」、孤独感などに苦しんでいた女性 ①DMは不要と思っていた
②母親の無視・無関心編 ③父親への怒り・性への嫌悪感編 ④レイプ体験編
⑤見捨てられ不安編 ⑥ディマティーニ・メソッド®から得た洞察編
⑦恩師の拒絶と抑うつ編 ⑧心の整理と人生の目的の発見編 ⑨不倫編 ⑩婚約破棄編