気分の浮き沈み、不眠、「自分のことが好きになれない」、孤独感などに苦しんでいた女性⑤見捨てられ不安編
ディマティーニ・メソッド・ファシリテーターで心理学博士の古宮昇です。
パニック、不眠、極端な感情のアップダウン、激しい孤独感などに苦しんでいた30代の女性がいます。
彼女は、ディマティーニ・メソッド®を通して母親と父親に対する憎しみや悲しみなどの強いネガティブな感情についてワークをおこない、みるみる元気になって行きました。(④レイプ体験編はこちら)
憎しみ、恐怖心、孤独感、不安が軽減し、ぐっすり眠れるようになるとともに、長年苦しんでいた不眠症状、パニック発作、躁うつ状態がなくなりました。
また、恋人からしばらくイーメールが来ないからといって以前のような強い恐怖に襲われることもなくなりました。
そしてその女性は、ディマティーニ・メソッド®を通して得た、大切な学びをシェアしてくださいました。
その学びとは、人生に起きる出来事はすべて、私たちが最高に成長し、最高の自分になって生きてゆくために必要だから起きるということです。
その女性の手記第5回目をどうぞ。
最初から読みたい方はこちら
気分の浮き沈み、不眠、「自分のことが好きになれない」、孤独感などに苦しんでいた女性①
横暴になった元カレに強いストレスを感じながら仕事の関係を継続
私は、かつて付き合っていた男性と、恋人関係を解消したあとも、研究について貴重な指導を得ていました。
その男性は、ある分野の研究者としてトップクラスの実力者で、
その人の助力なしでは私の理想とする研究を達成することが困難だと感じていました。
しかしその人は私と別れたあと、たいへん横暴な態度を取るようになりました。
例えば、私がささいなことについて連絡をしなかったときには、
私を口汚くののしる長いイーメールを送って来て、
「おれがこんなに言うのはお前のためだ!」と言ったりしていました。
しかし私は我慢していました。
その人から見放されると、私の研究にひどく差し支えるからです。
ですが、その人からイーメールが来るたびに、読む前から動悸が激しくなり、とてもしんどい思いをして何度も潰れそうになっていました。
実際に、私は原因不明の40度の高熱を出して入院したことが2回もあります。
彼に対する怒りに対処できず、発熱という形で表れたのだと思います。
確かに、その人の研究者としての能力は魅力的です。
一緒に共同研究ができれば、自分の目指す理想に近づくかもしれない、そう感じていました。
しかしその奥底には、「誰も挑戦したことのない研究に、たった一人で着手することの恐怖」という、私の心の弱さが存在していました。
見捨てられる不安があったのです。
見捨てられ不安を克服し毅然とした態度を取ることができた
そのことに気づいたとき、
「本当の私はもっと自由に未来を選択できる。
理想からは遠のくけれど、研究は工夫すればできる。
失うものが分かっていれば、手放すのも怖くない!」
そう思えました。
私はその人から離れる決意をし、そう伝えました。
その人はそれからも私を侮辱するイーメールを送って来たのですが、私はそれを読んでも以前のように動揺しなくなりました。
私は彼と離れることで、理想としていた研究を達成することが困難になりました。
それはとても大きなマイナスです。
しかしそれでも、心が不安で揺さぶられることはありませんでした。
そして、私は侮辱を続ける元恋人に、
「あなたが自分を大切にされていないと感じるのは、あなたが私を大切にしていない表れです」と、毅然と言い返すことができました。
すると、あれほどまでに暴力的な言葉を送り続けて来ていた彼が、
「確かに君の事情を理解しようとしていなかったおれにも落ち度はあった」と、
初めて謝罪文を返して来ました。
私が動揺することなく毅然とした態度を取れるようになると、相手の態度が変わったのです。
また、彼が私をさんざん侮辱したおかげで、私は
「自分が大切にされるとはどういうことか」を知ることができました。
私を大切にしてくれている恋人をより愛おしく思えたのも、すべて彼が侮辱してくれたおかげだったのです。
解説:自己犠牲、自分を粗末にしていると同じ扱いをする他者が現れる
私たちが自分自身のことを、
「私なんか・・・」とか、「どうしてオレはこんなにダメなんだ」などと心の中で侮辱したり、他人のご機嫌を取るために自分を犠牲にするなど自分自身を粗末にしていると、
しばしば、同じ扱いをする他者が現れます。
この女性は、親に腹を立てると同時に、心の底では親を憎む自分自身について罪悪感を感じ否定していたため、同じように彼女のことを否定する男性が現れました。
しかし彼女が自分を大切にして立ち上がると、その男性も彼女を、より尊重するようになったのです。
またこの女性は、「自分にとって大切な研究に大きなマイナスだから」という口実で、その男性からののしられたり虐げられたりしても我慢していました。
でも、彼女が自己主張して自分自身を守ることができなかった本当の理由は、見捨てられる不安だったのです。
そして、彼女の心に激しい見捨てられ不安があった原因は、
彼女がかつて、自分の親から見捨てられた、と感じた心の痛みであり、
そのような自分のことをそのままで愛することはできていないからでした。
しかしその痛みが癒えると、彼女は自分自身のために立ち上がることができたのです。
この女性は、元カレからのイーメールを読むと動機が激しくなり、ついには高熱を出して二度も入院した、と書いています。
自分の感情を抑えつけ、自分が本当は何を感じているのかを分からなくしている人は、
彼女のように、
心の苦しみを体の異常として表現することが多いものです。
彼女は、男性からののしられたり侮辱されたりすることの怒りを、
自分も分からないうちに必死に抑え込んでいたのでしょう。
彼女は、ディマティーニ・メソッド®を通して心の未解決の問題に取り組むことによって、心身の状態がみるみる良くなってゆきました。
より具体的に、彼女が人生について何を学んだのか、
そして心と体の状態がどう変わったのかを、
つぎのメッセージで詳しく見てゆきます。
(次回 ⑥ディマティーニ・メソッド®から得た洞察編)
古宮昇(こみや・のぼる)
最初からもう一度読みたい方はこちら
気分の浮き沈み、不眠、「自分のことが好きになれない」、孤独感などに苦しんでいた女性 ①DMは不要と思っていた
②母親の無視・無関心編 ③父親への怒り・性への嫌悪感編 ④レイプ体験編
⑤見捨てられ不安編 ⑥ディマティーニ・メソッド®から得た洞察編
⑦恩師の拒絶と抑うつ編 ⑧心の整理と人生の目的の発見編 ⑨不倫編